E.MARINELLA

マリネッラ ナポリ 丸の内 小林 のナポリ解体新書⑤
~いよいよナポリへ(後編)~

TYPE : Flow

DATE : Mar 06, 2022

マリネッラ ナポリのコラムです。
マリネッラはもちろん、イタリアやナポリにまつわる四方山話を徒然なるままに、マリネッラ ナポリ 丸の内 小林がお伝えします。
マリネッラをご存じな方も、まだご存じではない方も、ネクタイ以外にも知っていただきたい「ナポリの魅力」を是非コラムでお楽しみください。

  • マリネッラ小林
  • マリネッラ ナポリ 丸の内 小林正弘

    「いつも、フローエンスをご覧下さりありがごとうございます。 マリネッラ ナポリ 丸の内におります、小林と申します。 ナポリについては、下手の横好きですが、また以前のようにナポリに行けるようになる“その時に”役に立つ情報などなど、 織り交ぜられたら良いなぁなどと思っております。 駄文ですが宜しくお願い致します。」



ヴィットリア広場

マリネッラ ナポリ本店側から見るヴィットリア広場。
ナポリ市内でもエレガントな広場として定評のあるナポリを代表する広場の一つです。

こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内の小林です。
今回も最後までお付き合いをよろしくお願い致します。
さて、いよいよ初ナポリも終盤へ差し掛かり、今回のメインイベントである”SARTORIA MARIO FORMOSA”へ訪問するのですが・・・、またもや休業!というよりは、今考えれば極々当然、アポもなく、8月にいきなり訪ねて普通にやっているわけがないです。本当に大バカでした!(笑)

というわけで、アトリエのある建物のエントランスでまたもや呆然としていると、見かねた建物の管理人さんが出てきてくれたので事情を説明。
すると、何と管理人さん、フォルモーサさんに電話してくれるというではないですか!
何とも親切、そう、この温かさが”ナポリ”なんです!
そして、返答は「明日だったら良いよ」ということで無事アポ獲得。
天使のような管理人さんに御礼を言い、その日は退散。
翌朝出直すとフォルモーサさん、いらっしゃいました。(そして、その後ろには満足気な表情の管理人さんも!)
フォルモーサさん、紺のコットンパンツに白のボタンダウンシャツにローファーという出で立ちがまたエレガント。
言うまでもなく、その後、帰国してからの私の服装はしばらくの間、紺のパンツに白のボタンダウンシャツが続きました!(笑)

というわけで、無事に採寸をしてもらい、生地を選びオーダー完了。
「仮縫い来るでしょ?」と聞かれるも、またいつ行けるか分からないので、仮縫い無しの1発でオーダー。
フォルモーサさん、「またナポリ来た時に仮縫いすれば良いのに・・・、全然違うよ。」的なことをジェスチャー混じりでおっしゃっているようでしたが、今回は仮縫い無しでお願いを致しました。
そして、アトリエに興味津々の東洋人の小僧がめずらしかったのか、別棟のヴィンテージ生地が眠る倉庫(かなり厳重なセキュリティーでした)や、ハサミや道具類、受注製作中の顧客の方の洋服などを見せて下さり、説明もひとしきりして下さり感激!フォルモーサさん本当に良い人でした。

そして、いざ支払いの段で”お決まりのトラブル発生”です。
私がおもむろに、旅行に向けて増額したてホヤホヤのクレジットカードを出すと、「機械が無いからカードは使えない」と言うではないですか。(でも、何故かアトリエの壁には、M〇sterカードのシールが貼ってあります!笑)
当時は、「海外なのにクレジットカード使えないの!?」と衝撃でしたが、その頃のナポリの仕立屋さんでは当たり前の話でした。
結局、困り果てた挙句、キャッシングという名案を思いつきATMへ。
すると、フォルモーサさん「この辺は物騒なエリアじゃないけど、現金持ち歩くなら一緒に行くよ」と、何とフォルモーサさんの護衛付きでアトリエ前の”モンテ ディ パスキ ディ シエナ銀行”へ。
そして、ATMへ向かうも引き出し方もよく分からず、また機械の調子も悪いのか悪戦苦闘。
見かねたフォルモーサさんが顔見知りと思しき職員の方に事情を説明すると、窓口で現金引き出しの手続きをしてくれることに。
ただ、ここでも更に問題発生で、手続きにパスポートのオリジナルが必要だったのですが、手持ちはコピーしかない。
結局、狭いナポリ、銀行の方と顔なじみなのか、フォルモーサさん自ら何かの書類にサインして下さりコピーだけで手続き完了。
無事に現金でお支払いをさせて頂きました。(天国のフォルモーサさん、その節は大変お世話になりありがとうございました!)
そして、「3か月後には出来上がるから送るよ」ということでアトリエを後にするのですが、よっぽど初めてのナポリが危なっかしく見えたのか、「車で送ってやるから乗っていけ」と、またもや護衛付きでホテルまで送って頂いたことが良い思い出です。

このような、昭和の日本のような少し懐かしい、現代では欠けてしまった人の温かさを時折感じることが出来るナポリ、そんな色んなことの積み重ねがあり、どんどんとナポリに魅了されてしまったのではないかと自己分析しています。
その後、予定通り、約3か月後の秋、初のナポリ仕立てのジャケットが到着致しました。
前回のラッタンジで多少免疫があったものの、やはり嬉しかったです、フロントのダーツが裾まで切られているナポリ仕立てのジャケット。
そして、ハンガーにかけているだけの状態でも明らかに既製品のそれとは全く異質の肩付けや、袖の立体感など。
しばらくハンガーにかけて眺める日々が続きました。

というわけで、ナポリで無事に目的を果たしたものの、軍資金とカードの利用枠をほぼ使い果たした私は、残った時間で恒例の極貧ナポリ観光をし日本に帰国することになるのですが、ここで極貧滞在の中で、ナポリは他のイタリアの都市と比べて決定的に違う点を見つけてしまうんです。
ナポリは、他の都市と比べて物価が安く、安いのにほとんどの食べ物がハズレ無しのため、良い滞在が出来たことを覚えております。
ナポリは、食に関して、味、質、値段がイタリア最強のパフォーマンスを誇ると思います!
ピザ屋さんの軒先の揚げ物屋台ですら本当に旨いです!

そんなこんなで、皆さま、長々と私のナポリにハマってしまった経緯に最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
20数年も前の話で、記憶も曖昧かつ稚拙な文章で意味不明な箇所も多かったかと思いますが、これをもちまして、自己紹介を兼ねました導入編の話を終わらせて頂きたく思います。
そして、これより、ようやくマリネッラや、本店、オーナーのマウリッツィオ、食べ物や、市内の話などナポリの四方山話を書いていければと思います。

続きは、また次回に。
お付き合い頂き、ありがとうございました。

それでは、丸の内にお越しの際は、是非、店頭にも遊びにいらして下さい!

  • E. MARINELLA-Mrunouchi
  • マリネッラ ナポリ 丸の内

    東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内ブリックスクエア1F
    営業時間:11:00~20:00
    TEL : 03-3217-2871
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