SEALUP(シーラップ)の
コートは歴史を物語る。
TYPE : Flow
DATE : May 16, 2022
シーラップは1935年にミラノで創業したアウターウェアのファクトリーブランド。当初はレインウェアを生産していましたが、1950年代からは、機能性はそのままにファッション性の高いアイテムに進出。そして、1980年代には名だたるラグジュアリーブランドのアウターを手掛け、その名が知れ渡ります。
ブランド名である”SEALUP(シーラップ)“は、Sea Wolf(オオカミウオ)という英単語をもじり、Wolfを同じ意味のイタリア語Lupoに変更したものでした。
そんな海を思わせる社名らしく、シーラップのロゴにもなっているパイプを加えた男のマークは、1930年代に創業者ピエロ・キエーザ氏が有名彫刻家という側面も持っており、海の男を象徴する”甲板長” をイメージして作られました。その為、厳しい海の環境下でも、機能性を損なわないようなコートを考え、撥水性や保温性を考えられた高品質のモノ作りを続けています。
長い歴史があるシーラップ。その中でも定番モデルがPコートです。Pコートの歴史は古く、長い歴史から見えてくる完成されたデザインは、変わることなく、冬のアウターとして世界中で支持されています。19世紀末から海軍や漁師等の人たちが、定番として着用しており、ダブルブレステッドやマフポケットは、海の男達が寒さから守る為に作られた仕様です。また、海の上では波音で声が通りにくいため、幅の広い襟を立てる事で、激しい波音でも指示を聞き取り易くするとも言われています。
バランスの良い丈の長さを活かして、ジャケットスタイルやスーツスタイルにも合わせられたり、ニット・シャツなどのカジュアルにもコーディネートも出来ますので、オンオフ兼用で着用することが可能です。ベーシックなデザインと細部まで拘った一着に仕上がっております。
スポーティな雰囲気を感じられるデザインは、身体に沿った曲線美を描きながらも、生地の厚みや素材感を計算した作りになっており、立体的なパターンはモダンな印象をプラスしてくれます。また、仕立ての良さを象徴する肩に合わせた袖は、後付けではない前振りになっており、自然なフォルムは機能性も上げてくれます。
優雅な印象を与えてくれるショールカラーは、程よいカジュアル感も演出。高密度のリブ部分は首回りの馴染みが良く、コーディネートにも華を添えてくれます。左袖と金ボタンには、を表現したアンカー(錨)マークが施しており、カジュアルスタイルの装いを楽しめる一着に仕上がっております。
Pコートと同様に古い歴史があり、シーラップでも人気が高いモデルが”ダッフルコート”。ダッフルという言葉はベルギーにある街「デュフェル(Duffel)」で作られた厚手の起毛した荒い生地が由来。多少の霧雨や水しぶきで濡れても、直ぐには浸透しないので、漁師たちの間で愛用されます。そして、第二次世界大戦時には、イギリス海軍にも採用された事により、多くの人々に認知されます。特徴として、手袋をしたままコートを脱着できるよう木製の"トグル"の仕様や肩から背中をカバーし、雨などの染み込みを防ぐ"ストームパッチ"などの仕様は、まさに海の男には欠かせないウェアです。
コチラは、制服やコートの上から更に羽織れるように、仕立てられている為、ゆったりとした作りはそのまま残しながらも、ストレートに落ちる美シルエットと飽きのこないトラディショナルな装飾から浮かび上がる高い実用性は、長く使いたくなる逸品です。

SEALUP(シーラップ)が手掛けるアイテムは、歴史に裏打ちされたデザインを反映させながらも、最新の技術でハイクオリティの製品を生み出しております。
優美な印象を与えくれるシンプルな佇まいは、長年にわたって寄り添ってくれますので、大人のワードローブとして欠かせない一着です。
(※上記の画像はミラノの老舗百貨店La Rinascente(ラ・リナシェンテ)のショーウィンドウです。)