マリネッラ意図したシワが生み出すエレガンス “リネンタイ ” が新入荷

TYPE : Flow

DATE : Mar 17, 2024

いつも私どもマリネッラのブログ、公式オンラインストアFLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。

心より、御礼申し上げます。

さて、みなさま、日毎に春を感じられる季節となりましたが、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

やはり、この春の訪れを感じると共に気になってくる素材の1つと言えば、何と言っても、麻素材でないかと思います。

麻といえばその歴史は古く、古代エジプト時代まで遡るとも言われます。

そして、18世紀にはその生産量は増え、当時、麻素材の本場であった英国では、小麦と並ぶほど、一般的な作物だったそうです。

また、その用途としての歴史も興味深く、前述の古代エジプト時代には、埋葬するミイラを包むために用いられ、さらには、イエスキリストの亡骸も麻素材の布で覆われたとされます。

そして、キリスト教最大の謎ともさている、このイエスキリストの亡骸を覆ったとされる麻素材の布は、”聖骸布”としてイタリアのトリノ市内にあるトリノ大聖堂に、現在も大切に保管され、カトリックの信仰の対象となっています。

余談ですが、昨年10月に、本国のマリネッラがイタリア国内でローマ店に次いで、このトリノ大聖堂を有する、ピエモンテ州トリノ市の市内に新店舗をオープン致しました。

トリノに行かれた際は、大聖堂と合わせてマリネッラのトリノ店も、是非お立ち寄りください。

さて、そんな謎めいた歴史のある麻素材ですが、着道楽の方が多いイタリアでも、やはり、麻素材をお好みになられる紳士は多く、特に、私どもマリネッラの本店がある南部イタリアのナポリは、イタリア本土の中でもその気候と風土が故そうさせるのか、春から夏にかけて麻素材を身につけることは、”紳士の嗜み”よろしく、特に好まれます。

もちろん、私どもマリネッラでも、麻素材を用いたタイはお作りがあり、この時期になると店頭にお目見え致します。

また、これからの季節は、天候や気温の上昇、湿度や汗などの干渉により、タイも、シワやヨレなどが気になるところではありますが、こちらのリネンタイは、その懸念もなんのその、そのシワさえも、エレガンスの1つとして昇華させられる点も、麻が持つ不思議な魅力です。

むしろ、麻素材が生来持ち合わせる特性である“意図して入るシワ”こそ、この素材の醍醐味の一つであり、他素材では短所とされるシワさえも、上質な麻素材においては長所に生まれ変わります。

ナポリ本店のお客様も、コットンスーツやリネンスーツはもちろん、モヘアやフレスコといったウール素材のスーツやジャケットに至るまで、この時期は頻繁にお召頂くようで、また、これからの時期に頻発する、“上着を脱いだシャツ姿だけの際の出で立ち”にも、「間が抜けず、収まり良く、様になる」ことからも愛用者の多いリネンタイです。

そして、もう一つ最大の魅力といっても過言ではない点と言えば、その色の出方に思います。

もともと、染色の際に、均一に染まり難い性質を持ち合わせる麻の繊維の特性により、自然な染めムラの濃淡が生まれ、あたかも、長年エイジングを重ねてきたような、自然かつ、趣ある風合いを最初から楽しむことができます。

さらには、ネップと呼ばれる糸だまりなど、素材が、元来持ち合わせる“不完全の美”的な要素も随所に見みることができ、自然素材が故、2つと同じ表情の素材が存在しない点や、その表情、温かな染色の雰囲気もこの素材の楽しみです。

このような、その素材の個性を楽しむことが出来るあたりも、古くから、麻素材が人々を魅了してやまない理由ではないでしょうか。

如何でしたでしょうか、限られた季節に、短所を逆手にとった装いを楽しむ、どこか刹那的なエレガンスを感じるリネンタイ。

陽射しも変わり、装いも気分も軽快に、そして、開放的になるこれからの春夏のシーズンのワードローブにおすすめです。