大西陽一 / STYLE

E.MARINELLA(マリネッラ)の新作!! アーカイブ ペイズリー タイ。

TYPE : En

DATE : Feb 04, 2021

ペイズリータイがリバイバルの兆し。ビジネスからパーティーまで使えるコーディネート術

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ネクタイにトレンドや流行はないのでは?!と思っている方は多いのでは。
確かに百貨店のネクタイ売り場を見ても、様々なブランドや柄が並べてられているので、それを感じるのは至難の業。
しかし売り場のスタッフの方に聞いたり、メンズEXなどのファッション系のウェブサイトを検索するとほんのわずかな違いではありますが、シーズンごとの打ち出しがあるのがわかります。今回はいくつかある最近のネクタイのトレンドの中で、温故知新的な柄を取り上げてみたいと思います。

それは、ペイズリーと呼ばれるもので、植物をアレンジしたマガタマ型の模様という独特の柄。ここ20年くらいあまりフォーカスされることはなく日陰の存在でしたが、実はトラッドの世界では由緒ある定番柄。イギリスのペイズリー(paisley )というスコットランドの小さな街で作られ生地が世界に広まったため、この名前で呼ばれるようになったとか。ペーズリーと呼ぶ人もいますが、イギリスではこちらの発音ではほとんど伝わらないそうです。

日本では、1960年代のIVYブームのときにネクタイやシャツの柄としてメジャーデビュー、1980年代後半にはイタリアのエトロが日本に上陸(1988年)しペイズリーのストールやバッグが大ブームに。
1990年に入ると英国王室のご成婚があったこともあり、セレクトショップや百貨店はイギリス関係のものが中心に。その時はレジメン、ドット、ペイズリーというイギリス伝統柄の御三家がクローズアップ。
2000年以降はイタリアファッションの一大ブームが起こり、ペイズリーだけはちょっと日陰の存在に…

ところが、20年ぶりにこの名門が復活をとげたのです!!
その背景には、モードブランドがパパやお爺ちゃんのクローゼットに残っていた様な服や小物を現代風にアレンジしたコレクションを発表していることや、ビンテージウェア(ヨーロッパ系古着)のブームなどがあります。

また前置きが長くなってしまいました。
この由緒ある柄ペイズリーではありますが、パッと見クセがかなりあるので自分に似合うかな?と思う方が多いのも事実。
そこで、今回はマリネッラのネクタイを使い、そのコーディネート例を作ってみました。

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こちらは、ビジネス向きにネイビーのジャケットに合わたコーディネート。ネクタイの柄がかなりインパクトがあるので、それを少し打ち消す意味でロンドンストライプのシャツを持ってきました。ここを白無地シャツにしてもきまるのですが、少しネクタイが目立ちすぎるかな?と思うかもしれませんね。

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モデルの方がしめていたのがこのマリネッラの新作。ナポリの本店にあるアーカイブ(古い生地サンプル帳)から再現したもので、これは1941年のもの。

  • ネクタイの大剣の裏側にはARCHIVE 1941とプリントされています。 細部は熟練の職人の手縫いで仕上げられています。

  • こちらは、正統派のペイズリー柄をストライプシャツにあわせたビジネススタイル。 柄が程よい大きさなので、入門者向けと言えます。 目立たないストライプにすることで、クラシックなペイズリーをシャープに見せています。

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こちらは1956年のアーカイブ柄。イギリスの老舗のネクタイはこうした柄の場合、深い茶系のものが多くシックになりすぎる傾向があるのですが、これは地色がイタリアの海を連想するような色目にしてあるので、ラテンの陽気な雰囲気のネクタイにイメージチェンジできています。

  • こちらは、結婚式の披露宴やパーティー(今はコロナ渦で無理ですが)などに向く華やかなイメージのコーディネート。柄が大きいのでインパクトはかなりあるので、自分を強烈にアピールして記憶に残る(良しも悪しも)人物になりたい方向きです。

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  • アメリカ のラギッドなスタイルをイメージしてコーディネートしたのがこちら。

    ウエスタンシャツにネクタイをするのは、80年代にアメリカのラルフローレンのスタッフの方がよくやっていました。こうしたミックステイストは、その後日本のセレクトショップに飛び火し、今では定番化していきました。

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  • 【Profile】 : スタイリスト / 大西陽一 氏
    「メンズ・イーエックス」「レオン」「メンズ・プレシャス」「アエラスタイルマガジン」などで スタイリストとして活躍。親しみやすい人柄とファッションに対して熱い情熱を自ら表現し、 多くの方から愛されております。エディターの一面も併せ持ち、アルソーレの代表も務めております。